【勉強会レポート】VRを知り、VRプロモーションを考える「VR初心者のためのVR×プロモーション」


ここ数年で認知度が急上昇したVR。新たなプロモーションの手段として企業での活用も始まっている。そんな「VRプロモーション」をテーマにした初心者向けの勉強会が6月28日に開催された。
講師を務めるのは、2011年からVRを使ったプロモーションに取り組んできた株式会社クロスデバイスの伊都好古氏。実際のプロモーション事例を紹介しつつ、VRの基礎知識や「実際、VRってどうなの?」という素朴な疑問を解消してくれる勉強会となった。

目次:
 1.まずはここから始めよう!初心者が知っておくべきVRのイロハ
 2.進化する機材でますます身近になるVR
 3.VRをうまく活用したプロモーション事例
 4.新しいVRビジネスをドコモ・イノベーションビレッジから

まずはここから始めよう!初心者が知っておくべきVRのイロハ

VRと聞いて装着する機材は目に浮かぶものの、正確に説明できる人は少ないはずだ。
VRとは「バーチャルリアリティ:仮想現実」のこと。HMD(ヘッドマウントディスプレイ)と呼ばれる機材を装着することで、仮想空間にいるような体験ができる技術だ。その他にもVRに似た技術でAR、MRと呼ばれるものがある。
ARは「オーグメンテッドリアリティ:拡張現実」のことで、仮想現実を現実世界に拡張する技術。2016年に配信され老若男女が夢中になった某スマホゲームで用いられている。MRとは「ミックスドリアリティ:複合現実」のことで、仮想現実と現実世界の情報を組み合わせて融合させる技術。こちらはすでに医療面での活用が始まっている。
伊都氏によると、最近は3つの技術をまとめて「XR」と呼ぶことが多く、VR・AR・MRを明確に区別しないそうだ。


世の中のVR認知度は今こうなっている
「VRビジネス調査報告書2018」によると、現在のVRの認知度は何と87.6%。「昔は、まず仕事の話をする前にVRとは何かを説明しなければいけなかった」と伊都氏。その時代と比べれば飛躍的に認知度が上がったことが分かる。
とは言え、HMDの実物を見たことがある人は21.2%とかなり少ない。その21.2%のうち、実際に体験した人は65.6%。体験者は10人中2人いるかいないかといったところだ。
不動産業界や旅行業界では早くからVRの活用が進んでおり、近年は結婚式場でもVRを取り入れたサービスを展開しているらしい。ゲームや映像コンテンツに偏りがちで企業内での活用は発展途上だが、研修やトレーニング、プレゼンテーションでの活用を期待する声も多い。今回のテーマであるプロモーションについても、約30%の人が活用の可能性を見出している。

進化する機材でますます身近になるVR

VR初心者向けの勉強会ということもあり、VRコンテンツの視聴や制作に必要な機材についても聞くことができた。視聴に必要なHMDと視聴システム、制作に必要なカメラ、いずれも多種多様で充実している。


HMD
VR視聴の必需品。高性能・高コストのものから順に、PC接続タイプ、スマホタイプ、スタンドアローンタイプ、スマホ差し込みタイプの4タイプが揃う。伊都氏の予測では、来年はスタンドアローンタイプがくるらしい。単体でVRを視聴でき、イベントで大人数に一斉に見せたい場合などに重宝するそうだ。

カメラ
実写でのコンテンツ制作は、カメラで撮影→映像を繋ぎ合わせる→編集→書き出し、といった流れで行われる。映像の出来を左右するカメラは低コストのものから、アクションカメラ、360度カメラ、カメラ多台数接続型と3タイプ。アクションカメラであれば平均10万円ほどで手に入る。

視聴システム
手軽に楽しめる「みんなのVR」、PCから複数台のHMDに指令を出してVR映像を再生する「Idoga VR All Start」が紹介された。「Idoga VR All Start」はすでに早稲田大学で授業に使われているそうだ。壁や床にVR映像を投射し、HMDなしでVR映像を楽しめるプロジェクションVRというシステムもある。

目的や予算に合った最適なコンテンツが制作可能になる
エンターテイメントやビジネスでの活用が増えれば、HMDやカメラなど機材の種類も充実してくる。「昔は360度カメラがなく、高額の予算を組んでコンテンツを作るか、アクションカメラを使って低予算で作るかの二択だった」と伊都氏。
機材が進化して種類も増えたことで、今は目的や予算に合わせて使い分けができるようになっている。

VRをうまく活用したプロモーション事例

いよいよ実際のプロモーション事例を見ながら、VRを使ってどのようなプロモーションができるかを考えていく。

【「キリン 午後の紅茶」×「グリコ ポッキー」プロジェクト】
それぞれのパッケージにQRコードが付いており、それを読み込ませることでVR映像が視聴できるというもの。映像は何パターンか用意され、全パッケージを購入しないと全ての映像が見られない仕掛けになっている。新商品のプロモーション向けといえる手法だ。
伊都氏は「2社とも最新のテクノロジーをプロモーションに取り入れるのが上手い」としたうえで、「このプロモーションも面白い取り組み」と評価した。

【住友生命保険1UP(ワンアップ)ポップアップイベント】
「VRはポップアップイベントに使われることも多い」と伊都氏。その一例がこちら。イベントが行われた新宿駅構内を舞台に、いきなり恐竜が出現するなどVR映像でさまざまなリスクを視聴者が体験する。最後に映像内で保険を勧められるという設定で面白い。

【博多祇園山笠】
ドコモの取り組みで、博多祇園山笠をテーマにしたVRプロモーションである。山車の上からの映像や、街を駆け抜ける山車をまるでその場にいるように体験するものだ。福岡空港や美術館に誰でも視聴できる機器を設置したというのも新しい。

上記以外にも、ブルボンの商品宣伝、沖ノ島VRツアー、道後温泉女子旅VRドラマ、映画「聖おにいさん」の特報映像などが事例として紹介された。


これからの「VR×プロモーション」を考える
トークセッション終了後、「VRをプロモーションでどのように使ったら面白いか」をテーマにワークショップが行われた。伊都氏が持ち込んだ各種のHMDで参加者もVRを実体験。その感想も活かしながらグループでプランをまとめていく。
参加者からは、海外ツアーの疑似体験、スポーツ体験、自分がミクロサイズになって時計の世界を体験、防災面での活用などのアイディアが発表された。
昔は「旅行のVR映像を作ると誰も行かなくなる」と旅行会社から意見もあったそうだ。実際は「旅行でもライブでもVR映像をきっかけに行きたくなるというデータがある」と伊都氏。人間がミクロサイズになるというアイディアに対しては、「非常に面白い。昔は小さくなって人体の中に入るという映像があった。昔の映画の世界をVRで現実にしようという雰囲気は業界にもある」とコメントした。

新しいVRビジネスをドコモ・イノベーションビレッジから

最後にドコモ・イノベーションビレッジの平野氏より「VRはデバイスがどんどん進化している。その進化に伴ってこれから様々な新しいサービスやビジネスが生まれることが期待されている。是非、我々と面白いサービスを一緒に考えていきましょう。」とコメントがあった。

ドコモ・イノベーションビレッジには、IOT・インバウンド・VR・スポーツ(Tech)の分野でベンチャー企業と協業を目指す「Villageアライアンス」という取り組みもある。「Villageコミュニティ」の勉強会への参加はもちろん、新たなビジネスアイディアが浮かんだら、ぜひドコモ・イノベーションビレッジを活用しよう。

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