【勉強会レポート】ブロックチェーンの本質に迫る!「ブロックチェーンは結局何の役に立つのか、何に使えばいいのか??」


仮想通貨とともに広く知られるようになったブロックチェーンは、日々進化を続け、新しい技術が開発されている。ビジネスへの活用を模索する動きも盛んだが、その本質が理解されているとは言い難いのも事実。“ブロックチェーン”という言葉や雰囲気に惑わされず、活用するにはどうすればよいのか。
新型ブロックチェーンプラットフォーム「BBc-1」のメイン開発者でもある、株式会社ゼタントの久保健氏を講師に迎え、ブロックチェーンの本質に迫る勉強会が開催された。

目次:
1. ブームが落ち着いた今、ブロックチェーンを冷静に考える
2. ブロックチェーン活用の2つの大きな方向性とは?
3. ブロックチェーンを正しく理解する
4. 考え方はシンプル。ブロックチェーンはこう使う!

ブームが落ち着いた今、ブロックチェーンを冷静に考える

仮想通貨の盛り上がりとともに注目を集めてきたブロックチェーンだが、その本質を理解している人は少ない。「仮想通貨バブルやICOバブルの影響もあり、昨年までは“とりあえずブロックチェーン”という雰囲気だった」と久保氏は言う。しかし、現在は少し状況が変わってきたようだ。
10月に発表された最新のハイプサイクルを見てみると、ブロックチェーンは下り坂に差し掛かっている。急速に膨らんだ期待がしぼみ始めた状態だが、これは決して悪い流れではない。ブロックチェーンが何のために必要なのか、冷静に判断できる環境が整ってきたということだ。

今、世界ではどうなっている?気になる日本の動向は?

下降局面を迎えたブロックチェーンだが、現在のビジネス・技術動向はどうなっているのだろうか。世界的にみると、「Public blockchain platform(新型プラットホーム)」「DApps(分散アプリケーション)」「Exchange(仮想通貨の交換など)」の3つの分野が活況で、次々と新しいアイディアが生まれているという。
それぞれの例として、注目の新型プラットフォーム「EOS」、異なるチェーンをつなぐ「クロスチェーンプラットフォーム」、既存のプラットフォームを機能拡張する「サイドチェーン技術」のほか、DAppsを利用した仮想ネコの育成・売買ゲーム「CryptoKitties」、法定通貨を担保に価格変動リスクを抑える仮想通貨「Stable coin」などが紹介された。
日本では、IIJ(株式会社インターネットイニシアティブ)がデジタル通貨の取引・決済を行う金融サービス事業への参入を表明。名だたる企業が賛同し出資を決めるなど、大きなビジネスチャンスと考えられているようだ。ほかにも、トレーサビリティや医療情報管理、不動産売買やシェアリングなど、さまざまなジャンルでブロックチェーンの活用が模索されている。

ブロックチェーン活用の2つの大きな方向性とは?

今後のビジネスにおけるブロックチェーンの必要性について、「2つの大きな方向性がある」と久保氏。その方向性とは「仮想通貨であるか否か」である。

仮想通貨やトークンを中心としたビジネスを考えているのであれば、ブロックチェーンの必要性など考えることはない。久保氏が「ブロックチェーンを使わない仮想通貨を作ったとしても、今の世の中では受け入れられない」と言うほど必要不可欠な技術であり、ブロックチェーンなくして仮想通貨は成り立たないからだ。
主なビジネスとしては、仮想通貨やトークンの作成、仮想通貨やトークンを利用したサービスの構築、仮想通貨やトークンの交換業がある。ただ、セキュリティ上の問題、法的な問題、法定通貨との競争など超えるべき壁は多い。

ブロックチェーンで何をやりたいか、が問題

仮想通貨以外でブロックチェーンの技術を活かしたビジネスを考えている場合、ブロックチェーンの必要性について十分に吟味する必要がある。
「ブロックチェーンはすごく効率の悪い仕組み。技術も確立されておらず、リソースをつぎ込むことになる。それでも使う理由が見当たらないなら使う必要はない」と久保氏。つまり、ブロックチェーンありきで進めると最終的に損をする。ブロックチェーンとは何かを理解したうえで“その技術で何をやりたいか”が問題なのである。

ブロックチェーンを正しく理解する

ここから、いよいよ「ブロックチェーンの本質」に迫っていく。まずは、ブロックチェーンの基本であるパブリック型とプライベート型についておさらい。必ず押さえておきたいポイントだ。

【パブリック型】
インターネット上に構築されており、誰もが自由に参加・離脱できる。既存の仮想通貨やトークンを利用するので自分で設備を用意する必要はなく、データ改ざんは極めて難しいとされる。デメリットは、システムの安定性が通貨の相場に左右されること、責任を持つ事業会社がなく問題発生時に対処できないこと、処理速度の遅さの3つ。
ユースケースとしては、「仮想通貨とトークン系のサービスを作りたい・使いたい」「改ざんされることなく記録を残したい」「マイニングして儲けたい」などが考えられる。
【プライベート型】
企業やコンソーシアム内など特定の参加者によって運営される。そのため、自分の裁量で開発・運用することができて動作が速い。デメリットは、システムの構築・維持を自力でしなければならず、既存の仮想通貨との交換が難しいこと。パブリック型に比べて改ざん耐性が弱いとも言われているが、これはおそらく問題にならないレベルだろう。
データの信用性を技術的に証明したい場合や、関係者で情報を共有して責任を分散させたい場合に最適とされる。

「ブロックチェーンとはデータに外部監査可能な信頼性を与える技術であり、これこそがブロックチェーンの存在意義」と久保氏。ブロックチェーンの本質とは、データの信頼性を担保することなのだ。

新型プラットフォーム「BBc-1」が体現するブロックチェーンの本質

久保氏が開発に携わった「BBc-1(Biyond Blockchain-1)」は、この“データに外部監査可能な信頼性を与える”という点に特化したプライベート型プラットフォームである。信頼と透明性が求められるビジネスや公共事業での利用を想定し、“外部監査可能にする”という部分にだけブロックチェーンを使用。ほかに必要な機能があれば、既存の技術を組み合わせてシステム化できる点も特徴だ。
専門的になるが、コンセンサスアルゴリズムを搭載せず当事者のみで合意できる仕組み、UTXO・アカウント型のどちらのデータ形式でも格納が可能な点、他のブロックチェーンとの履歴交換で改ざんを検知する仕組みなど、技術的なポイントについても久保氏より簡単に説明があった。
ブロックチェーンができることを最小限の技術使用で体現した「BBc-1」は、誰もが気軽に利用できるオープンソースプラットホーム。今後の広がりが期待できそうだ。

考え方はシンプル。ブロックチェーンはこう使う!

基本に立ち返って「自分は何がしたいのか」を明確にすれば、ブロックチェーンの必要性はシンプルに導き出せる。
仮想通貨・トークンに関わるビジネスならブロックチェーン必須。取り扱うデータに外部監査可能な信頼性が必要な場合はブロックチェーンが有効。その他であれば、おそらくブロックチェーンは必要ない。久保氏はブロックチェーンのコンサルティングも行っているが、実に相談の9割がブロックチェーン不要なケースだそうだ。
“とりあえずブロックチェーン”の時代は終わりつつある。だからこそ、技術の本質を知り、上手に活用すればビジネスチャンスが広がっていくに違いない。また、ビジネスの世界でまだまだ力の弱いスタートアップ企業にとって、ブロックチェーンは信頼を得るための手段としても活用できるだろう。

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