インキュベーション支援 - スタートアップファーストな伴走者

NTT DOCOMO VENTURES COLUMN

インキュベーション支援 - スタートアップファーストな伴走者

・カリキュラムのない成長支援 - スタートアップの自主性を最大限に尊重
・新たに5社のスタートアップが参画 – バラエティに富んだ事業を模索

伴走型インキュベーションプログラム

NTTドコモ・ベンチャーズはシード・アーリー期の若いスタートアップを支援する半年間の「伴走型インキュベーションプログラム」を2019年度から展開している。

対象となるのは、ICT関連事業で従業員数5名以下の審査を経て選ばれた若いスタートアップ。最大の特徴は、一般的なアクセラレーションプログラム等とは異なり、既定のカリキュラムは用意せず、あくまでもスタートアップの自主性に基づきそれぞれが必要とする支援を実行する点である。

各スタートアップの成長支援に特化すべく、オフィス併設のコワーキングスペースの半年間無償提供や社内外の有識者によるメンタリング支援、NTTドコモ・ベンチャーズ関連イベントでのピッチ登壇やブース出展等の機会提供などとともに、プロダクトの仕様検討を事業部と共同で考えることもあれば、事業計画の立て方をサポートすることもある。大きなピッチの前では動画作成やプレゼンテーションの練習も支援するなど、専任のチームが分野を問わず様々なサポートを行う。

NTTドコモ・ベンチャーズ代表の稲川は「協業を前提とした支援は、大企業側にとってはよいが若いスタートアップにとって過度な負担となりやすい。成長支援に特化することで、本当に必要な支援を行いたい」とプログラムの背景を語る。

「広い意味でのハッキングスペースと考えており、スタートアップ同士の交流の場、そしてブレイクスルーを見つける場でもあり、大企業との接点にもなりうる。何でも自由にやってもらい、課題についてコーポレートベンチャーキャピタルとしての視点から相談に乗ることもできる。大企業の施設に入居していることで対外的な信頼感も増す。たった半年間だが、1つのプロダクトが完成してプレスリリースを発表できるだけでもスタートアップにとっては大きな自信につながる。そうした成長のきっかけづくりをしたい」(稲川)

2019年の開始以来、第一期から第三期まで計12社を支援。学術論文のAIによる自動要約サービス、旅行計画アプリ、遊休研究設備のシェアリングプラットフォーム、写真心理学を使ったコーチング事業など支援先の事業の幅は広く、そうした中で飛躍のきっかけをつかむスタートアップも出てきた。

第一期のSportipは、トレーナー・生体向けのAIを活用した動態解析サービス「Sportip Pro」やオンラインAIフィットネス「Sportip Meet」を展開するが、プロサッカークラブのヴァンフォーレ甲府を運営するヴァンフォーレスポーツクラブと業務提携を結んだ。

同じく第一期のAillは、法人向けに福利厚生の一環としてAIで恋愛を支援するビジネスを展開。全504社の利用対象企業を有し、2020年9月には九州経済連合会(九経連)と提携して「婚機創出事業」を開始。独身者を対象に出会いのチャンスを広げ、地域の人口減少に歯止めをかける施策として採用された。

第二期のCatalu JAPANは、地域の製品と都心店舗の空きスペースをつなぐプラットフォーム「カタルスペース」を展開。例えば東京のおしゃれな飲食店の空きスペースに、あまり知られていない地方メーカーの優れた食器を飾ることで、新規顧客の掘り起こしにつなげる。2020年8月には東京ガスと業務提携を締結し、加盟店を増加させている。

第三期のvivolaは、不妊治療データ検索サービス「cocoromi(こころみ)」を提供する。東京都の女性ベンチャー成長促進事業「APT Women」第五期にも採択され、社会的な注目度も高くセミナー等を通じて不妊治療に対する啓蒙活動を活発化している。

近年、スタートアップがアクセスできる情報は急増した一方で、創業初期の会社にとっては具体的に実務で何をどうすべきか不明なことが多く、そうした中で“何でも”頼ることのできる存在としてNTTドコモ・ベンチャーズが伴走することで、スタートアップの成長のきっかけが作られる。そしてこのプログラムで育った企業が増えるにつれて参加企業間の関係性も強まり、一つの「場」が形成されていく。

採択企業

2021年1月には、第四期として新たに以下の5社を採択。斬新なアイディアと技術を駆使して前進するバラエティ豊かなスタートアップが集まった。これからの飛躍が期待される。

  • 次世代スポーツ観戦サービス

    試合中の実況解説、チームからのメッセージ等をリアルタイムに楽しめるサービス。ルール解説等の機能も充実。一方スポーツ団体に対し、データ管理・試合連動コンテンツ発信の効率化を実現。2021年1月にはジャパンラグビー トップリーグとリモート応援のパートナー協定を締結。

  • コミュニケーション特化型動画解析AIサービス

    NTTデータ出身のエンジニアによって設立。動画をAI解析することで表情や視線、音声や脈拍等からオンラインコミュニケーションのサポートを行うサービスを展開。オンライン教育、セールス、HRなどで採用済みで、インドでの海外事業展開も計画中。

  • お悩み相談チャットサービス

    10〜20代の女性をターゲットにしたカジュアルなチャット相談サービス「メンヘラせんぱい」を提供。人の悩みを聞くのが得意な「せんぱい」が相談の受け手となり、日常のもやもやを解決する。フランクに相談できるため、ユーザーのリピート率も高いという。

  • ハンター向けコミュニティサービス

    全国のハンターが集えるオンラインプラットフォーム「Fant」を提供。代表の高野沙月氏自身がハンターであり、地域を越えたハンター同士の情報共有・交流の場として運営する。北海道が拠点のため、オンラインを活用したプログラム参加を実施。

  • マイカーラッピングサービス

    マイカーを持つ稼ぎたい人と、PRしたい商品やサービスがある企業を繋ぐマイカー広告副業アプリ「doot(ドット)」を提供。「移動で自由を」をビジョンに事業化に挑戦中。