強みと野心のアピールを。NTTグループとの共創を加速させる「NTT STARTUP BRIDGE」の全貌 | 株式会社NTTドコモ・ベンチャーズ

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2026.09.09

強みと野心のアピールを。NTTグループとの共創を加速させる「NTT STARTUP BRIDGE」の全貌

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強みと野心のアピールを。NTTグループとの共創を加速させる「NTT STARTUP BRIDGE」の全貌

 株式会社NTTドコモ・ベンチャーズ(以下「NTTドコモ・ベンチャーズ」)は2026年7月、スタートアップとNTTグループとの共創を創出するプログラム「NTT STARTUP BRIDGE」の開始を発表しました。

 NTT STARTUP BRIDGEでは、スタートアップとの共創ニーズを抱えるNTTグループ各社がそのニーズを公開。NTTドコモ・ベンチャーズが窓口となり、スタートアップとのマッチングを実施します。

 プログラムの詳細について、NTTドコモ・ベンチャーズの金川暢宏と、実際に共創ニーズを掲載している株式会社NTTドコモ マーケティングソリューション本部の井上亮平さんに話を聞きました。NTTとの共創に関心のあるスタートアップや、エコシステムビルダーの方々はぜひご覧ください。

ドコモの井上さん(左)と、NTTドコモ・ベンチャーズの金川
ドコモの井上さん(左)と、NTTドコモ・ベンチャーズの金川

「巨大なNTTのどこに連絡すればいいか分からない」を解決

── NTT STARTUP BRIDGEについて教えてください。

金川(NTTドコモ・ベンチャーズ):
 NTT STARTUP BRIDGEは、スタートアップ企業とNTTグループ各社における共創機会の継続的な創出を目的としたプログラムです。NTTドコモ・ベンチャーズが窓口となって、スタートアップからの提案をNTTグループ内の事業会社・部門とマッチングします。

金川 暢宏 | KANAGAWA Nobuhiro 株式会社NTTドコモ・ベンチャーズ Investment & Business Development Director
金川 暢宏 | KANAGAWA Nobuhiro
株式会社NTTドコモ・ベンチャーズ Investment & Business Development Director

2002年NTTドコモ入社。車載向け通信端末の企画、携帯電話の商品企画を経て、2011年より、スタートアップとの共創によるオープンイノベーション業務に携わり、以降、約15年間にわたり、新規事業関連の業務に従事。

2014年より、新規事業プログラムの企画、運営を開始し、社内企業家の発掘、育成を開始。新規事業プログラムから生まれた、プログラミング教育事業を行う株式会社e-Craftの設立に携わるほか、決済、アート、SNS、不動産領域など、自ら複数の事業立ち上げを行うなど、豊富な事業開発経験を持つ。また、新規事業開発組織の組織戦略、人事などのコーポレート業務なども経験し、2026年2月に約10年ぶりにNTTドコモ・ベンチャーズに復帰。

自ら、地域コミュニティの運営なども行い、人と人の関係性から産まれる価値創造に強い関心があるほか、社会変化の兆しとテクノロジーの進化の探究による未来探索がライフワーク。事業開発経験を活かし、起業家教育にも取り組む。2021年より、東京大学 工学系研究科 非常勤講師。

金川(NTTドコモ・ベンチャーズ):
 これまでもNTTグループは、スタートアップと数々のオープンイノベーションを実現してきました。そのおかげもあってスタートアップから「NTTとオープンイノベーションをしたい」と言ってもらえるケースが増えています。

 一方でスタートアップからすると「巨大なNTTのどこに連絡すればいいか分からない」という課題があるのも事実です。NTTグループとしても、スタートアップコミュニティに対して「NTTグループ各社がどのような領域でどういった連携をしたいのか」というメッセージは、強く発信できていませんでした。

 スタートアップの優れた技術やサービスと、NTTグループ各社が抱える事業課題やニーズを効率的にマッチングする必要がある。そう考えてNTT STARTUP BRIDGEを始めました。

 そういう意味では、これは特に目新しい取り組みというわけではありません。スタートアップとNTTグループ各社の双方に共創を分かりやすく説明するために作りました。

 手前味噌ですが、NTTグループには豊富なアセットがあります。スタートアップと手を取り合うことで、スタートアップも成長しますし、NTTグループも共に成長していけるはず。この状況をどのように作るかがNTT STARTUP BRIDGE、ひいては共創の本質だと考えています。

金川(NTTドコモ・ベンチャーズ):
 またこれは社内事情ではありますが、これまでNTTドコモ・ベンチャーズの各メンバーが社内外でネットワークを築いてきた一方で、大企業の一部門であるCVCには異動が付き物です。ネットワークが人に紐づいてしまっていると、担当者が異動してしまったらそのネットワークも切れてしまう可能性がある。例えば私がNTTドコモ・ベンチャーズに着任したからといって、前任者が個人で築いたグループ内外のネットワークをそのまま利用できるわけではありません。しかし「プログラム」という仕組みを設けておけば、「引き継ぎ」という形で担当者が変わってもネットワークを継続しやすくなります。これまで個人に紐づいていたネットワークを、CVC全体として資産化することにも、NTT STARTUP BRIDGEは貢献してくれるでしょう。

── CVCであるNTTドコモ・ベンチャーズが音頭を取っているものの、出資が前提となっているわけではないんですね。

金川(NTTドコモ・ベンチャーズ):
 私たちにとって、出資はお互いの関係性を深め、より踏み込んだ連携を行うための手段に過ぎません。実現したいのはあくまで事業連携であり、「まずは事業連携からスタートできる」ことがNTT STARTUP BRIDGEの特徴です。とはいえ、共創を進める中で必要になれば、もちろん出資の検討もしていきます。

 まずはベンチャーキャピタルをはじめとするベンチャーエコシステムに今回の取り組みを知っていただき、自社の出資先・協業先のバリューアップの一環としてNTT STARTUP BRIDGEを利用していただきたいですね。

 加えて、NTTグループ内部に対しても「スタートアップと連携して事業を成長させるのが当たり前」というムーブメントを作っていきたいと考えています。実際、今回の取り組みを通して、他のNTTグループ各社・事業部からも「うちも参画したい」という声が上がってきているんです。

若年層向けコンテンツに販売チャネル強化、購買DX⋯各社の共創ニーズ

── NTT STARTUP BRIDGEのサイトでは、NTTグループ各社の共創ニーズが掲載されています。

金川(NTTドコモ・ベンチャーズ):
 取材時点では7社・8事業部が掲載されていますが、これからどんどん増やしていく予定です。ちなみにNTTドコモ・ベンチャーズはドコモだけでなくNTTグループ全体のCVCでもあるので、ここにはNTTグループ全体のニーズを掲載していきます。

 スタートアップとどのような共創を実現したいのか、言語化できた組織から順に掲載しています。ただ、スタートアップとの共創を望んでいても、その内容を誰もが簡単に言語化できるわけではありません。だからこそ「なぜ・どの分野でスタートアップとの連携が必要なのか」を、NTTドコモ・ベンチャーズが事業側と対話しながら掘り下げるのが重要だと考えています。

NTT STARTUP BRIDGEには各社のニーズが記載されています
NTT STARTUP BRIDGEには各社のニーズが記載されています

── 現時点では、例えばどのような共創が掲載されていますか?

金川(NTTドコモ・ベンチャーズ):
 例えばドコモのコンテンツサービス部は、モバイルバッテリーレンタル「ChargeSPOT」と連携しているように、dバリューパスの会員基盤を活かし、20代〜30代の若年層に響くサービス・コンテンツの拡充を狙っています。

 またNTT東日本は中小企業向けDX商材と強固な販売チャネルを保有しているため、その提供価値を高めうる優れた商材を抱えるスタートアップを積極的に探しています。

 NTTアーバンソリューションズは、不動産開発・運営を通した街づくりを推進している会社です。その守備範囲には「空間演出」も含まれます。スタートアップの中には、空間そのものを物理的に変化させるだけでなく、例えばVRを使って空間の価値を再定義するような企業もありますよね。街づくりという意味でも、スタートアップとの共創は新しいチャレンジになるはずです。

 また、流行りの「フィジカルAI」という文脈では、NTTデータやNTTアドバンステクノロジなどが積極的に共創を模索しています。AIはやはり、現代の大きなテーマですね。

井上(ドコモ):
 私が所属するドコモ・マーケティングイノベーション部は、現在「Single ID Marketing」を推進しています。これは、一人ひとりのユーザーの行動を、認知から購買に至るまで一連の流れとして可視化し、そのデータを新たな価値につなげていく取り組みです。

 飲料や洗剤など、比較的短時間で購入が判断される消費財では、認知から購買に至る行動が十分に可視化されていません。そのためメーカーの多くは、従来型のマーケティング手法に依存しています。もちろん、こうした手法そのものを否定するものではありません。しかし、デジタル化が進む現在、買い物体験そのもののDX、すなわちユーザーが購入に至るまでのプロセスや、実店舗における購買接点のデジタル化には、まだ大きな可能性があると考えています。

 だからといって、米国発の買い物代行サービスであるInstacartのような代理購入サービスや、Uber Eatsのような仕組みを、ドコモ単独ですべて開発・推進していくのは現実的ではありません。NTT STARTUP BRIDGEを通じて、このような領域で事業を展開しているスタートアップとドコモの持つデータを連携させ、ユーザーのお買い物体験のデジタル化と、それに伴うマーケティング構造の変化を共に作っていきたいと考えています。自社だけで進めるよりも、スタートアップと共創した方が、圧倒的に早く開発できますからね。

井上 亮平|INOUE Ryouhei 株式会社NTTドコモ マーケティングソリューション本部 マーケティングイノベーション部 マーケティングDX推進室 マーケティングDX推進室長
井上 亮平|INOUE Ryouhei
株式会社NTTドコモ マーケティングソリューション本部 マーケティングイノベーション部 マーケティングDX推進室 マーケティングDX推進室長

2004年、広告会社の営業職に従事。翌年の2005年よりインターネットの広告事業に従事。動画広告やデータ事業などに従事後、リテール企業と連携したメーカー販促事業の立ち上げに携わる。
2025年1月にNTTドコモへ入社し、マーケティングDX領域の事業成長に取り組む。

金川(NTTドコモ・ベンチャーズ):
 市場や顧客ニーズの移り変わりが激しい現代において、大企業が自社単体で時間をかけて要件定義からシステム構築まで行っていては、サービスが完成した頃には市場環境や前提が変わっているかもしれません。そういう意味でも、特定のソリューションを持つスタートアップと連携し、迅速に課題を解決していくスピード感は、大企業が事業優位性を保つ上で不可欠になりますね。

井上(ドコモ):
 そうですね。我々が最も恐れているのは、お買い物体験のデジタル化によって市場の構造が変容する中で、自社だけが取り残されてしまうことです。目下の課題は、やはり「お買い物体験に伴う購買データ」をドコモのデータと連携させることですが、そもそものお買い物体験が洗練されていないのに、データだけを連携しても意味がありません。スタートアップには、ぜひ新たなお買い物体験を作っていただいて、そこにドコモのデータを上手く組み合わせてもらいたいですね。

── 各社の共創ニーズが記載されていますが、スタートアップがこれら以外の共創を築きたい場合はどのようにすればよいでしょうか。

金川(NTTドコモ・ベンチャーズ):
 繰り返しになりますが、NTTドコモ・ベンチャーズはこれまでも、スタートアップとNTTグループ各社をマッチングさせてきました。それは今後も変わりません。プログラムの枠組みでなくとも、何か要望がある場合はお問い合わせフォームなどからご連絡いただくか、NTTドコモ・ベンチャーズのメンバーに直接ご連絡ください。

 ただ、NTT STARTUP BRIDGEでは井上さんたちのように、あらかじめ事業側と共創の前提について合意しています。各事業部のニーズが明確なところからスタートするため、提案をいただいてから迅速に具体的な対話へ進められるはずです。

── ちなみに、ここにはまだ書かれていないけれど、井上さんが最近注目されているマーケティングのテーマはありますか?

井上(ドコモ):
 エージェンティックコマースの領域は非常に興味深いですね。購買体験がガラリと変わる可能性があるので、今からアンテナを張っておかないとマズイと感じています。

 また海外においては、大量生産・大量流通モデルだけではなく、個人や小規模な事業者がプライベートブランドを立ち上げる動きも増えていると聞いています。D2C的ではあるものの、直接販売ではなく大手小売業を通じて商品を販売しているブランドもあるそうです。今後もこのような動きが加速するなら、我々もマーケティングソリューションの範囲をより広く捉え、商品開発や物流などの領域への貢献を、今以上に広く検討していく必要があるかもしれません。

 海外で起きている現象をキャッチアップし、その手法を日本でも再現する。そこに我々のアセットや資本を組み合わせて、普及を加速させることは、ドコモが強みを発揮できる領域です。こうした枠組みを構築できるかどうかも、NTT STARTUP BRIDGEを通じて検討していく必要があると考えています。

強みと野心のアピールを!

── NTT STARTUP BRIDGEに関心があり、ここまで記事を読んでくれた方々へのお礼も込めて、応募に向けてのポイントを教えてください。

金川(NTTドコモ・ベンチャーズ):
 NTT STARTUP BRIDGEに応募する上で、スタートアップにはぜひ「自分たちの強み」をアピールしていただきたいです。

 募集要項に無理に合わせすぎてしまって「結局何を提供しているのかがよく分からない」という状態になってしまうくらいなら、自分たちのバリューを素直にしっかりと書いていただいて問題ありません。それはプロダクト自体の価値かもしれないし、トラクションやチームかもしれない。本質的な強みを示していただけると嬉しいです。

 NTT STARTUP BRIDGEは、単に条件を照らし合わせてマッチングしたら終わり、というものではありません。提出された内容をベースに議論を深めていく中で「こういう強みがあるなら、こんな会社とこういった共創もできるのでは」と、新しい可能性が芽吹くことにも期待しています。

井上(ドコモ):
 個人的には、「そんなことできるの?」というスタートアップと出会いたいです。NTTグループだけではできないものだったり、圧倒的なスピード感だったり。近年のAIの隆盛で、ビジネスのスピード感はさらに増しました。そう考えると、我々だけでは対応できない範囲が広がっている気がします。

金川(NTTドコモ・ベンチャーズ):
 アイデアベースの段階では今回のプログラムにはそぐわないので採択できません。とはいえ、大きいに越したことはないものの、膨大なユーザー数などのトラクションを求めているわけでもありません。具体的に事業連携のイメージが描けていて、強みがしっかりと確立されていて、その上で「こんなアプローチがあるのか!」と驚かせていただけると最高ですね。それがNTTドコモ・ベンチャーズのvalueの一つである「ワクワクし、ワクワクさせる。」にも繋がります。

井上(ドコモ):
 やはり、野心的で強い想いを持っているスタートアップには惹かれます。「ドコモのアセットをこちらが料理してやりますよ」くらいの強い意思を持っている会社の方が良いのではないでしょうか。

金川(NTTドコモ・ベンチャーズ):
 そうですね。スピード感やプロダクト力はもちろん、実現したい世界を明確に描いているスタートアップと共創を築きたいと考えています。今のままでもグロースするけど、成長をさらに加速させるために「NTTグループやドコモのアセットを利用したい」と考えている起業家と連携していきたいですね。

 力と想いを束ね、世界の景色を変える。これはNTTドコモ・ベンチャーズのミッションです。NTT STARTUP BRIDGEも、「自分たちの手で世界の景色を変えたい」という強い志を持ったスタートアップと共に歩んでいきたいと考えています。

 既存の延長線上にある成長ではなく、NTTグループのアセットやドコモの基盤をフルに活用して、これまでにない新しい未来や価値観を社会に提示していく。そうした圧倒的な情熱とビジョンを持つスタートアップの皆様からのご応募を、心よりお待ちしております。

(執筆:pilot boat 納富 隼平、撮影:ソネカワアキコ)

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